外壁塗装で「5年」は、短いのか普通なのか。結論から言うと、“5年で塗り替えが必要になるケースはあるが、毎回そうとは限らない”です。大切なのは「年数」ではなく「外壁の状態」と「前回どんな工事をしたか」です。
まず知っておきたいのは、外壁塗装の役割。見た目をきれいにするだけでなく、雨・紫外線・風から家を守り、外壁材に水がしみ込むのを防ぐ“防水の膜”をつくることです。この膜が弱ると、外壁が傷みやすくなります。
では、なぜ「5年で塗り替え」の話が出るのか。理由は主に4つあります。
①前回の塗料が耐久性の低いタイプだった
塗料にはグレードがあり、安い塗料ほど劣化が早い傾向があります。前回の見積もりが“最安”優先だった場合、5年で劣化サインが出ても不思議ではありません。
②下地処理が弱かった(見えない手抜き)
塗装は「塗れば終わり」ではなく、下地が命です。汚れを落とす高圧洗浄、ひび割れ補修、傷んだ部分の処理、下塗りの選定と塗布量。ここが甘いと、表面だけきれいでも中身が持ちません。結果として早期に剥がれや浮きが起きます。
③立地が厳しい(環境ダメージ)
海の近く(塩害)、交通量が多い道路沿い(排気ガス・粉じん)、日当たりが強い南面、湿気がこもりやすい北面。こうした環境は塗膜の劣化を早めます。同じ塗料でも家によって差が出るのはこのためです。
④“外壁塗装”と呼びつつ、実は別の工事が原因だった
雨漏りやコーキング(目地のゴム部分)劣化は、塗装だけで解決できないことがあります。コーキングが先に切れて水が入ると、塗膜が元気でも外壁内部が傷みます。「塗装したのに…」となる典型です。
ここで、5年の時点でチェックすべき劣化サインを挙げます。
- 壁を触ると白い粉が付く(チョーキング)
- ひび割れが増えた/広がった
- 塗膜の剥がれ、浮き、ふくれがある
- コーキングに割れ・痩せ・隙間がある
- カビ・藻が何度掃除しても戻る
これが複数あるなら、5年でも点検の価値は高いです。
逆に、5年で慌てなくていいケースもあります。
- 艶(ツヤ)が落ちた程度で、剥がれやひびがない
- チョーキングが軽く、局所的
- 雨染みがなく、コーキングも健全
この場合は「今すぐ塗り替え」より、原因の確認と経過観察が合理的です。
最後に、業者選びで失敗しないコツ。
「5年だから塗り替え時期です」と年数だけで迫る説明は要注意。信頼できる会社は、写真を撮りながら劣化の根拠を見せ、必要なら部分補修やコーキング交換など、最小限で最適な提案をします。見積もりは、塗料名だけでなく「下塗り材」「塗布量」「工程」「保証内容」まで確認しましょう。
まとめると、外壁塗装の「5年」は“判断のスタート地点”。年数ではなく、状態と前回工事の質で決まります。焦って全面塗り替えを選ぶより、まずは劣化サインを見て、根拠のある点検から始めるのが、いちばん損をしない方法です。
